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大腸

全体的に暖かかった11月もすっかり寒くなり、

平地も紅葉真っ盛り、
あまりの美しさにため息が漏れます。
 
早朝太極拳で出向いている小金井公園は
既に一面霜で真っ白!
温度計は0度、んなの息も真っ白。
前回お伝えした、喘息をお持ちの方には、
自殺行為な環境ですが、
ピリッと冷たい空気は心身ともにシャッキリします。
さて、話題は変わって、
先月、世界保健機構(WHO)から発表された
「ハムなどの加工肉は発がん性が十分認められ、大腸がんになるリスクがある」
というニュース、ご存知ですか?
「毎日加工肉を50g摂取するごとに大腸がんのリスクは18%増加」
「牛や豚などの赤肉であれば、100g摂取するごとに17%増加」
特に、ハムなどの加工肉は、危険度としては、
喫煙やアスベストと同じグループに分類されたため、
全世界で物議をかもし、日本食肉加工協会も猛反発。
毎朝ソーセージやベーコン、ハムを食べている人が、
「あなたは喫煙者やアスベスト被害者と同じです!」
と言われても・・・
はてさて、実際のところはどうなのでしょう。
調査・研究の真偽や細かいデータは発表されていないので
精査しようがないとして、2013年の栄養調査をますと、
日本人の一日あたりの摂取量は赤肉50g、加工肉13gの合計63gで、
同164gのドイツの約4割程度、
上記の危険摂取基準にはほど遠いのが現状です。
赤肉には血や肉、骨の元となるたんぱく質やビタンB群、鉄、亜鉛などの
健康維持に有用な成分が多く含まれており、
育ち盛りのお子さんはもちろん、貧血になりがちな妊婦さんや
筋力維持・骨粗鬆予防が必要な年配の方には不可欠です。
大腸がんを恐れて食べない方が、栄養が足りなくなるという意で怖い気が・・・
ということで!
何事も「過度な偏りを慎、バランスよく食べる」がやはり基本ですね。
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さて、ナゼこんな話題を出したのか、と言いますと・・・
前号のテーマ「喘息」は当然「呼吸器」の疾患ですが、
何度かお伝えしてきたとおり、東洋医学では、
この「呼吸器」とペアを組んで働くのが「大腸」だからです。
「肺」は二酸化炭素を含んだ空気を、
「大腸」は便を、
ともに不要物を体外に排出する機能を持ちます。
そして、ともに、体の水分調整に一役かっており、
乾燥する秋のこのシーズンに弱く、皮膚の状態を左右します。
前回お伝えした尺沢(しゃくたく)という肘の内側にあるツボは、
咳止めを始めとする呼吸器の疾患に効きますが、
その裏側にある曲池(きょくち)というツボは、大腸経に属し、
胃腸や肌の調子を整えます。
ツボもこうして表裏一体となって、ペアで働くのです。
ですから、お灸をされる際には、時にこうして表裏一体のペアを覚えて、
もしくは、覚えなくとも、ペアである反対側にも据えると良いでしょう。
肺と大腸の経絡は、腕を流れています。
皮膚と密接な関わりがあるので、ぜひ腕まくりをして直接肌をさすりましょう。
シュッシュッシュと、素早く少し圧力をかけてこすると
温かくなり、鎖骨の下辺りもこすると、全身がぽかぽか、肩もラクになります。
寒くて縮こまりそうな時には、
肺と大腸をマッサージしているつもりで、
この二つの臓腑をイメージしながらやっててください!